日本全体がワクチン接種の予約に大騒ぎである。ラプソディは「狂想曲」と書かれるのが正解らしいが、ここではあえてその騒動をから「狂騒曲」とした。船橋市でも、ようやく集団接種を行うという方向性で勧められることになりそうである。データを見る限り、ワクチンの予防効果は80%を超えている。ある意味驚異的な数字である。しかしながら、新型コロナウイルスは変異株が多く、これほどの効果が期待できるのであるのだろうか。どこかで数字をいじっていないか、と勘繰ってしまうのは私だけであろうか。さておき、現在の予防法ではワクチン接種以外に選択肢はほとんどないであろう。私自身それを否定するつもりは毛頭ない。ただその有効性と安全性である。もちろん、手洗い、うがい、マスクなどは今まで通り予防効果は確認されている。しかしながら、新型コロナウイルスについては、連日「感染者数」が発表され、過去最高の人数だの、自粛制限を何日延長だの、猫の目のようにくるくる目まぐるしい。私としては「何人検査して」、そのうち「何人感染者が出て」、その中で「何人亡くなった」という情報が欲しい。統計学的にどうこうという難しいことではなく、ずばり「何%」、が知りたい情報である。ついでに、年齢別に、とか罹患している主な疾患別に、とかが加わるとより分かりやすいと考える。おおよそのデータは出てきている時期に来ているはずである。人数だけを数えるのはそろそろおしまいにして、「何人検査をして何人陽性だった。だから感染率はおよそ〇〇%だ」とか「その陽性者数の中の発症者数が分かったので発症率は××%だ」とか「発症者数のうち不幸にも亡くなられた方の人数から死亡率は△△%だ」という比率の情報が欲しい。強い変異株が入ってきている、という報道にも違和感を覚える。何が強いのだろう。死亡率?それとも感染率?何の強さかわからない。感染率は強いが毒性は低い、などのある程度明確な情報が欲しい。私個人的には、強毒性の変異株の特徴(例えばRNAの特定の塩基配列が見られればそれは強い毒性を有している可能性が高いなど)をとらえられれば、それに対するワクチンを作る必要はあるだろうし、創薬が出来れば最も好ましい。もちろん、データをとって解析をし、製剤まで作るとなると一筋縄ではいかないであろうことは想像に難くない。しかしながら、ある程度信頼度の高い(90%以上)の簡易検査キットが出て、それに準じた予防や治療の選択肢として、安全で効果のある程度はっきりしたワクチンが開発され、軽症に済ませられるような薬が開発される。それまでは、ワクチンも何も作らなくても打たなくてもよいような気がしないでもない。もちろんそれは理想論に過ぎないため、せめてインフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどのワクチンのように、ハードルの低い接種基準を作っていただきたいものである。ちなみに現在(2021.5.20)のワクチン接種可能な医療機関の条件は、「①酸素ボンベがある」、「②気管内挿管のできる準備がある、」(気管内挿管とは口から管を入れて呼吸を助けるアレである)、「③救急対応できる薬品がそろっている」、「④対応できない場合は救急車をすぐに呼ぶ」(現実的には要請が多くなり救急隊が疲弊してしまう可能性がある)、「⑤できれば人工呼吸器も」などであり、現実的に一般の医療機関には手が出せない。もちろんその条件は日々変わっており、「やはり酸素ボンベはあった方がよい」に変わっている。朝令暮改。それだけの変化についていくのは至難の業。感染症の特徴は、何度も記載しているが、「毒性の強いものは死亡率が高いので、宿主を殺してしまい、巷に広がりにくい」、逆に「感染力は強くて毒性の低いものは、宿主と共存する期間が長いので残り続ける」、結果、全体的な致死率は低くなってきてある程度でプラトーに達することが多い。私には、この新型コロナウイルスが、将来的に「季節性のないインフルエンザ(季節性がないのにインフルエンザというのもおかしな話ではあるが)」になるように思えて仕方がない。ワクチンをどんどん打てば、残ったウイルスはワクチン耐性を持った変異株で、今でいうMRSAみたいなものが残ってしまうのではないかという危惧が、なんとなく私の中にはある。どうなのだろうか。兎にも角にもワクチンに翻弄され、上へ下への大騒ぎ、まさに「ラプソディ:狂騒曲、狂詩曲」である。