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私とSFとAI

私とSFとAI

アイキャッチは、私の最初(から二番目:一番目はTK-80)のゲーム専用機(?)。TK-80はプログラミング機。MZ-80があった。

「パソコンテレビX-1」実機はしまってある。おそらく動かないであろう。

ブラウン管モニターである。テレビも見ることができる。スーパーインポーズといって、テレビを見ながらパソコンも使えた。といってもパソコン画像の薄い部分からしか見ることはできなかったが。

 

さて、まずは医学関係を書いていないことをお詫び申し上げる。

 

少し古くなってきたが、脳内トピックス。

頭痛の治療は「ゲパント」の時代へ。

変性疾患は「核酸医薬」へ。

神経免疫疾患は「疾患修飾薬」へ。

ようやく「経口分子シャペロン治療薬」まで登場する時代になった。

「分子シャペロン」は自分がやってきた研究分野だけに嬉しい。

 

詳細は別の機会に譲っていただきたい。

 

 

「私とSFとAI」

 

もともとSFは科学色の濃い「ハードSF」に興味があった。

第一回「日本SF大賞受賞作」の「太陽風交点」

早世された作家、山本弘氏の「地球移動作戦」

「ハードSFの世界」もいつか書きたい。

 

世の中、人工知能で溢れている。人工知能に沸いている。

この分野ももともと興味はある。いや強い。そこで少し書いてみたい。

 

AI Artificial Intelligence  人工知能

人工的に再現された知能

(意識や感情を実装しないとされる:ただし模倣することは可能)

 

SFの世界での話では、上記を逸脱したAIが見られる。

SFでAIで「反乱」というと、有名どころではアーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」に出てくるHAL2000かもしれない。ネタバレせずにはいきたいが、AIは二つの相反する命題を与えられたときコンフリクトを起こし、最適解を別の形で作り出してしまう。名作なのでぜひご覧いただきたい。映画のラストシーンはアナログ的な方法でHAL2000を停止させることは、この映画の最も素晴らしいところである。デジタルをアナログで停止させる。この「強制終了」のような方法をとることは、今後のAIの発展を読み解く上でも面白い。このシーンは知る人ぞ知るリアルロボットアニメの最高峰とも言われている、「装甲騎兵ボトムズ」のラストエピソード「流星」にもオマージュされている。

2001年は持っているはずだが、本の画像が見つからないのでWebから拝借した。

さて私のAIに対する出会いから現在までを、SF小説、アニメ、漫画から振り返ってみたいと思う。

そもそもAIって何?という疑問である。皆AIと言って使っているがchat GPTはAIなのか。ミュトス級は?AIの定義は曖昧だ。AIが「人知を超える」という、いや超えているということも聞くことがある。囲碁や将棋はAIに勝てない。確かに単なる演算能力や種々の事象を集めて表示する、人では気付かない過ちを発見する、という点ではAIが優れている部分があるのかもしない。AIが発達すると、今までの知的労働はすべてAIが行うようになってしまい、事務仕事、医療、金融を含むホワイトカラーの仕事は全てAIが担うようになり、人間にしかできない部分の肉体労働、AIのメンテナンスを担うエンジニアなどの仕事や特殊な芸術活動以外は仕事がなくなる時代が来る、と。本当にそうであろうか。その理屈で言えばAI、いわゆる人工知能が発達すれば、芸術的創作活動もAIのメンテナンスなどもAIが行うようになるのではないであろうか。そこに人間の存在意義は?どこに?

 

人工知能で反乱といえば「ターミネーターの世界」であろう。共存できないAIたちが反乱を起こし、人類にとって代わる機械生命体になる、という世の中がやってくるのだろうか。人類と共存するAI(この意味ではAIは人類と同等の立場)が未来のAIの形なのだろうか。

国産ジュブナイルSFでも「合成脳のはんらん」という作品があった気がする。未読。

政治も経済もAI任せ。実際AI議員を国会議員医選出した国家もある。

 

AIを語る時に、私が最初に出会った作品は、眉村卓氏の「わがセクソイド」である。これ、中学3年で読んでいいのか、という内容であったが、眉村氏の作品を片っ端から読んでいた私はこれに出会った。衝撃を受けた。主人公が売春を生業としている「その行為」専用のアンドロイドと駆け落ち、逃避行をするという物語だ。ハードであるがロマンチックで退廃的な内容であり、今読むと多少古くさいところもあるかもしれないが、とにかくあれだ、だんだん追い詰められていく主人公たち。終わりは「俺たちに明日はない」的な救いのない終わり方をしているのである。ネタバレにならない程度に書くが、アンドロイドは徐々に人間的な感情に芽生え始める。この小説もアシモフの「ロボット工学三原則」をきちんと踏襲しており、それに忠実であるが最後にそのどんでん返しがやってくる。これはアンドロイドに感情が芽生えていたのか、単なる故障なのか読者の判断に任せるという内容である。

 

ロボット工学三原則を知らない方もいると思うので、ここで述べておきたいと思う。

第一原則 ロボットは人間に危害を加えてはならない

第二原則 ロボットは人間を守らなくてはならない

第三原則 前の二原則に違反しない限り、ロボットは自分を守らなくてはならない

まあ、ある意味では(ロボット)奴隷三原則みたいなものである。

ただアシモフ自身もこれには矛盾があることを明言しており、この三原則の初出「われはロボット」の中で、無邪気な女の子がロボットに矛盾する二つのタスクを質問すると(内容は忘れた。表紙の「真鍋博」のイラストは星新一の表紙も描いており、好きな人は多いと思う)、コンフリクトを起こして煙を吐いて(わかりやすくも古い描写)動かなくなってしまう、というエピソードがある。

ちなみにAIにも「AI五原則」というものがあるらしい。私も良くは知らないが、AIを使うにあたって(作るにあたって?)知っているべき原則なのだそうだ。時代の流れとともに、AIの進化と共に内容は今後変遷していくであろう。

話は逸れるが、藤真千歳氏の「スワロウテイル」シリーズにも「人工妖精の五原則」というものがあり、ふと「人工知能なのかなぁ」と思ってしまった。こちらも機会があれば触れたいと思う。

 

さて、最近のSFではどうであろう。AIと言えば映画「AI」や、「宇宙船にAI搭載」のSFは当たり前のものになっている。

 

ここで、私的AI推薦6作を紹介する。

 

  1. 電気羊はアンドロイドの夢を見るか フィリップ・K・ディック

いわずとしれた、映画「ブレードランナー」の原作(原案)である。4年間という寿命を持たされた戦闘用、過酷な労働用の人造人間(レプリカント)が、主人公(デッカード)に復讐するというのがあらすじである。原作は多少異なるため映画のほうで説明します。私も映画の印象が強い。「製造されて年数が経った人造人間は、人間に近い感情が芽生える」という先ほどの「わがセクソイド」に近いモチーフである。ここでは、人造人間は感情を持つように模倣されているような印象を受ける。映画のほうは主人公の「デッカードがレプリカントではないか」という議論があとを絶たない。

小説でも映画でもよい。

 

  1. プラスティック・メモリーズ

こちらも寿命が定められたアンドロイドの話である。心(疑似人格)を持ち、81,920時間の耐用期間の稼働時間で、それを過ぎれば「人格、機能崩壊」という設定だったと思う。心に寂しさを抱えるような訳ありの人に貸し出すアンドロイド「ギフティア」と、それが人格崩壊する前に回収する業務を行う仕事を請け負う主人公ツカサ。そのパートナーとなったのが、稼働時間2000時間を切った「アイラ」というギフティアである。回収をする仕事をしていくうちに「アイラ」稼働時間の限界が迫る。丁寧に登場人物ひとりひとりの心理描写が描かれる傑作である。稼働時間を迎える直前のアイラの運命は。

  1. イヴの時間

アニメ、漫画ともでている。映画化もされたと思う。主人に絶対服従のアンドロイドが喫茶店「イブの時間」で人間としてふるまうことができる。アンドロイドである証拠の通信用の、頭上にあるリングを見せなくすることができる。アンドロイドは人格を持つが、現実社会ではそれの表出ができない。ロボット工学三原則に則った外界と、アンドロイドでいることが辞められる(人とアンドロイドを区別しない。できた時でも詮索しない)、ある意味特殊な空間「イヴの時間」での話である。外界(現実社会)での対比が秀逸である。人の中には「アンドロイド受け入れてもいい」タイプと「信じられない」タイプと、それ以外の人間も描かれる。

外界では「人格がない、感情がない」アンドロイドが、「イヴの時間」という喫茶店内では感情をあらわにして心を見せる、というストーリーは、人間の心の裏と表を考えさせられる。

 

  1. ロボット小雪

正確には「新・自虐の詩 ロボット小雪」である。マイナーである。しかし奥は深い。近未来、富裕層とそれ以外(貧民層)が差別(区別ではない)されている世界。富裕層の人々は、自分専用のロボットを所持することが許されている。もちろん買うのだからスペックに違いは出る。そんな中、友人が家族もろとも「貧民層」に行くことになり、そこでの生活水準があまりにも劣悪なことを知る。主人公専属のロボットである「小雪」が、解放運動に乗り出す、というのがあらすじであるが、富の配分、人種差別、様々な問題が浮き彫りにされ、我々にこれでもかと押し付ける。ラストは圧巻である。本来持ち主が変わると以前にお記憶は消去されるという設定が、最後に変化しつつあることを予感させる終わり方である。隠れた名作だ。

 

 

  1. Vivy -Fluorite Eye’s Song-

オリジナルアニメ作品

同時期の放送が「86 エイティ-シックス」でなければ覇権だったであろう作品。海外での評価は非常に高い。いくつもの賞をとっている。驚くくらいである。まあ、「86」も別の意味での傑作である。「86」については後日詳述(できるかな)。

近未来、AIが身近になり始めたころ、歌姫AI「ディーバ」が初めての歌唱用AIとして作られる。「ニーアランド」という遊園地で「バーチャルではなく実体を持つ」AIで歌手としてデビューするでところから始まる。心を理解できていないディーバは、「心を込めて歌う」という「使命」を負って作られたAIである。心を込めるという意味をつかめないでいる。そこに100年後の未来から来たという「マツモト」というAIに出会う。松本が言うには「あなたがAIの未来を壊さないと人類が滅亡するんですよ」と飄々と言う。半信半疑でそれに巻き込まれていくうちに、「AI(自分)がAI(自分を含めたほかの)を滅ぼす物語へと繋がっていく。その中でディーバの中に生まれたもう一つの「使命」、つまり「AIがAIを滅ぼすという使命負った人格、「Vivy」が誕生し、戦いに身を投じていく。

これはまじめに最高傑作である。作画、ストーリーとも素晴らしい。是非見て欲しい。このような世の中が来ないとは限らないのだから(むしろこのような未来が待っている可能性が高い)。

あと歌が主題の一つとして作られているため、劇中歌がすごい。いや、本当に素晴らしい。You tubeで検索して欲しい。是非。

映像と一緒に。オープニング「Sing My Pleasure」も、劇中カバーバージョンの「Sing My Pleasure」も(こちらは映像も一緒に)。そして、「Galaxy Anthem」も。エンディングで使われた「Fluorite Eye’s Song」も聴いて欲しい。

本編を観たくなること必至です。

 

Vivy 少しわかりやすくもう一枚と、「86―エイティシックス」

86の方が知名度は高いかもしれない。「86」、内容はAIとは直接関係ないけれども。別の意味で考えさせられる。ブルーレイ1巻はミリーゼ少佐(のち大尉に降格)だが、なんといっても主人公「シンエイ・ノウゼン」がいい。架空戦記物ではあるが、見た目と違って(失礼)、話はシリアスで複雑。原作は小説。

 

6.ビートレス (正式 Beatless)

長谷敏司氏によるSF作品である。文庫版は加筆修正されている。私的AIの名作である。私が考えているAIに対しての考えを、わかりやすく解説してくれているSFである。日本SF大賞最終選考次点である。その時の日本SF大賞は、故伊藤計劃氏の「ハーモニー」のなる。これもまた名作である。伊藤計劃氏は夭逝ゆえ作品巣は少ないものの、すべて映像化されている。

ビートレスに戻ろう。ちなみに長谷敏司氏も翌年の日本SF大賞を受賞し、その後も受賞している。

ビートレス。映像化されている。しかしながらその作画のクオリティは高いとは言えない。絵師は有名な方であるが、わかりやすさ故なのか低予算(?)故なのか、かわいらしい画になって製作されている。よく「劣化版、ギルティクラウン」といわれるが、ギルクラは全くテーマが異なる。もちろんギルクラの内容も賛否両論。ただ、オープニングはかっこいいし、画像もその当時のクオリティとは思えないほど美しい仕上がりである。

今の中高生はあまり本を読まないらしく、大友克洋氏の「アキラ(AKIRA)」でさえ難解で読めないという。漫画でも難しい部類なのであろう。大型本である。全6巻。

ビートレスに戻ろう。わかりやすく入るには映像でもいいかもしれない。でも、手に取って活字で読んで欲しい。

ビートレスを読むときのキーワード 1.アナログハック これは見た目で判断し、好ましものを手に取るようになる、というような内容である。なにそれと思うかもしれない。作中では過去に生まれてコールドスリープ後に目覚めた少女がその語り部となって説明してくれる。キーワードその2.レッドボックス(人類未到達物質) 科学の発達によって将来人類が作りえるであろう、未知の構造物を超高硬度AIが作り上げてしまったものを指す。時間の赤方偏移である。これも「なにそれ」と思うだろう。SFを読みなれていれば難しくないのかもしれない。そして、3.AIの責任所在 AIが事故を起こしたときにだれが責任をとるのか、どこが責任をとるのか。今最も議論されているところではないだろうか。製造元?所有者?作中では「マスター認証」として、AI(と言ってもhIEといういわばヒト型のインターフェースAIなのであるが、作品上美少女の形をした「モノ」と表現している。作者の指摘は正しい、というより素晴らしい。AIはどんなに高度になっても「心」「感情」「意識」がない。自我がない。作中でそれを見事に表現している。是非手に取って読んで欲しい。主人公、アラトはレイシアという美少女型のhIEと遭遇することから物語は始まる。レイシアの見た目と危機的状況化で、すぐに「アナログハック」されてしまう。そしてマスター認証。ここまでの流れがスムーズに描かれている。そして、4. AIは意識というものがない。噓を吐く。長谷氏もここははっきりと手厳しい「レイシアは嘘吐きロボットですから」、はっきり言いきっている。以前述べたロボット工学三原則の中にも「ロボットは噓を吐いてはいけない」という条項はない。5.超高高度AIは人間の手で止めることが出来るのかわからない世の中が設定である。これすごくないか。AIが認証を拒めば自力暴走することだってある世界で生きているわけである。もちろん超高高度AIは世界に十台ほどしかないという設定のもと、誰も止めるすべを知らない。下手をすれば人類未到達物質の兵器を用いて人類を制圧することだってできる世の中の話だ。不適切な表現かもしれないが、核兵器の溢れている今の世の中に、輪をかけて恐ろしい世の中に生きているわけだ。Hears of Iron Ⅳ(HoI4)という第二次大戦のPCシミュレーションゲームで、現代兵器の日本が単独で1940年の世界を相手に戦争をするというシミュレートで、ゲーム上では数年で日本が世界征服、みたいな世の中になるわけですね。あ、このゲーム面白い。あと、関係ないが惑星をぶつけたり(火星を地球にぶつけたり)、大きさや質量、個数を変えたり(地球を太陽系で100個公転させたり)してシミュレートする「Univers Sandbox」。これは嵌った。戻そう。作中では「メトーデ」という圧倒的な戦闘力を持っhIEが登場する。ビートレス。もちろん戦闘シーンもある。人類が組上げた最後のhIE、「紅霞」に読者は感情移入しやすいかもしれない。アンカーを打って体を固定して攻撃、という人間が作ったらしさなどの表現があり(レイシアは磁場を展開して固定するらしい(人類未到達物質:レッドボックス?))、まだ人らしさを残している。さらには「実験的にAIの実態を持つ議員」を登場させている。世の中の先取りをしている。もちろん「超高高度AI」もアバターとして(?)人型を見せるシーンもある。この作品は人がモノを扱うことを忘れてはいけない、というメッセージを訴えていると捉えられなくもない。

是非一読あれ。

 

ハードカバーの単行本も持っている。

ジャケットでだいぶ印書が違う。

人工知能についての漫画は「柴田昌弘」しが多数書いている。これも機会があれば(未来都市バラン、フェザータッチオペレーション など)

眉村卓「司政官」シリーズのSQ系ロボットたち。

 

次回以降、面白かったSF作品群、歴史小説、好きな哲学書。

最近では「天冥の標」や「星系出雲の兵站」。どちらも日本SF大賞を受賞した。

 

徒然なるままに書き連ねたい。

 

追記

直近のもので映像化の当たったもの。以下三つほど。

アニメ化されたもの二つ

この二つは歴としたSF作品に入る部類と思う。

「機械仕掛けのマリー」、「私を喰べたいひとでなし」も映像化された。

また、今期されるものではないが、有目どころの作者、篠原千絵氏の初期作品「海の闇月の影」。この題名、いつも「十二国記」(作:小野不由美)の「月の影 影の海(エピソード1)」と混同してしまう。全然違うのだが。ちなみに十二国記は途中で挫折。カバーイラストは、私が読んでいたものとは違う気がする。アニメ版がNHKで放送され、最近も再放送されていたと思う。珠玉のファンタジー。最近では「烏は主を選ばない」が面白い。作者は「吉川英治文学賞」受賞作家。リアルタイムで放送中(のはず)。時々アニメ視聴のみ。

そして今期は同じく篠原千絵氏の「天は赤い河のほとり」である。7月7日より放送予定だそうだ。

放送が楽しみである。

最後に、私的愛読書。

では。

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