パーキンソン病は進行すると動けなくなり、入院するというイメージをお持ちになる方もおいでになられるのではないでしょうか。そもそも入院する原因あるいはきっかけは何があるのでしょう。大きく分けると以下の5つになります。ひとつ、脱水や熱中症。ふたつ、転倒などによる骨折。みっつ、風邪や尿路感染(膀胱炎など)で薬の効きが悪くなる。よっつ、薬の飲み忘れなどにより動けなくなる(ひどい場合は「悪性症候群」といって、命にかかわる症状を呈する方もまれにですがおいでになります)。いつつ、飲み込みがわるくなって(嚥下障害)、誤嚥性肺炎を起こす、です。入院するとベッドにいる時間が多くなり、筋力が落ちてしまうこともあります。当院では入院しないための工夫をご説明いたしております。立ち上がる時の工夫、転ばないための工夫、嚥下障害が出ないような工夫、脱水や熱中症にならないための工夫、ちょっとした注意で入院を避けることができることが多いのです。入院するときは薬剤調整や磁気刺激術などの時だけにしたいものです。入院は日常生活を落とす大きなきっかけになります。パーキンソン病で入院しないための工夫を考えていきましょう。以前は1-2年に1回ほどのペースで「パーキンソン病市民公開講座」を開催しておりました。コロナ禍で最近は行えておりませんが、来年度(2021年)は春をめどにWeb公開も交え行う予定です。毎回800名以上の方がお出でになりますので、感染対策をしっかり行い、複数回に分けて予定いたします。キーワードは「悪化させない、入院しないためのパーキンソン病」です。